2012年12月22日

後悔と不安

〜明日の事を思い煩(わずら)うなかれ。
 明日の事は、明日思い煩え。
 一日の労苦は、一日にて足れり。〜
『新約聖書』-マタイによる福音書(マタイ伝)第6章34節

 それにしても人生は、過去の後悔と将来の不安に満ちている。
 能天気な合理主義者の私であっても、そういう感情を完全に封印する事は不可能で、日々、胃の中に溶けた鉛のかたまりが流し込まれるような感覚を覚えている。

 理屈ではわかっているのだ。反省を終えたら、あとは後悔なんてしなくていいし、準備をするのは大事だが、それ以外の時間に思い煩っても仕方がないと、頭では理解できる。
 しかし全身が脱力するような、この感覚が消える事はない。

 それらには、生活やプライベートにおいては個々人で程度の差があるだろうが、仕事に関しては規模や種類に関わらないように思う。
 もちろん責任が重い立場になるほど、複雑で重要な問題を抱えるようになるものだが、それでも自分の立場が軽いからといって後悔や不安が小さくなるとは言えない。

 例えば、2期で1兆5000億円もの赤字を計上したトヨタの社長と、日々の資金繰りに奔走する我々のような零細企業経営者とでは、問題のステージは全然ちがうが、不安のリアルさに関しては後者の方がむしろ深刻だろう。

 しかしそれでも、明日の事を思い煩ってもはじまらない。
 自分が今出来る唯一のことは、未来の自分の負担を軽減させてあげる事だけだと思う。

 目前の労苦から逃げずに立ち向かって解決する事で、未来の自分が少し楽になる。
 要するに我々は、夏休みの宿題から1ミリも進歩していないのだ。先にやるか、後回しにするかで、人生は大きな差が開く。

 まあ先にやったらやったで、別の新しい労苦が降って来るだけなんだけど、それこそ思い煩っても仕方がない。
 結局、今を生きるしかない。



Posted by たまじゅん at 07:01│Comments(0)
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