2013年10月10日

先行者利益

 昨夜は経営相談を3件受けた。
 藤枝商工会議所が「エキチカ相談会」てのをやっており、その相談員当番だったのだ。
 相談は基本的に予約制なので、何か相談したいことがある方は、是非どうぞ。

 さて、相談はそれぞれ業種もちがえばレベルもちがい、当然悩んでいることも違うので、アドバイスは多岐に渡る。
 相談を重ねていて思うのは、「新しい価値」を生み出そうとする方が、「既存ビジネス」に取り組もうとする方よりも、楽して儲けたいという発想になりがちという点だ。

 ちなみに、私のもとには大小様々な起業相談が持ち込まれるが、その中には「新しい価値」を生み出そうという、アイデアや製品プランの持ち込みが少なくない。
 もっとも多いのが、「〜〜のポータルサイト」ていうのと、「新しい広告媒体」ていうものだが、その手の話には、正直言ってつき合いきれない気分になる。

 アイデアそのものには、ほとんど価値がない。
 まあ目安としては、ビジネスを1000で割ると、考え出す努力は1、実行する努力は99、収益化する努力は900くらいじゃないだろうか。要するにアイデア発案までは、0.1%の進捗でしかないのだ。
 その意味では、他者の指摘や批判はもっと簡単で、仕事量としてはゼロ以下と言っていい。

 よく、秀逸なビジネスモデルも真似されちゃったら終わり、とか言う方がいるが、商売の本質を理解していない。

 新しい価値を生み出す場合、世間に新しい価値があるって事を認識してもらうハードルがあるので、既存ビジネスに比して手間がひとつ多いのだ。当然ビジネス的にもハードになる覚悟が必要だ。

 しかし、それを勘違いして、アイデアや製品プランだけで、おいしく先行者利益を享受しようとしている。
 夢を見るのは自由だが、先行者利益を享受できるようなビジネスを構築して収益化するためには、並外れた熱意と、血のにじむような努力を要する。
 Appleや楽天を、単なるプロダクトアウトだと勘違いしちゃいけない。

 そういうプロセスを減ることなく、何かのアイデアや製品プランをもって、オートマチックに大富豪になるなんてストーリーは、マンガの世界にしかない。



Posted by たまじゅん at 10:20│Comments(0)
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