2013年02月16日

ビジネスモデルとビジネスの違い

 第11回ビジコンが終わった。
 私としては応援していた“妹分”秋山真穂と、“覇王”近藤カオリンが受賞して、まずは素直に嬉しい。
 何しろ過去最多130組を超える応募数からの最終6組だから、受賞に価値があることは間違いない。

 反面、受賞が実際のビジネスに直結するかと問われれば、答えは明確に「NO」。
 彼女たちの真価が問われるのもこれからだ。

 そもそもビジコンは、プランを競うコンテストだ。
 作成にあたってアドバイスしてくれるのは公共機関の診断士さんだし、審査員も半分は実践者ではない。

 受賞すれば人脈は一気に広がり、メディア露出が増え、各種の後押しの副産物があるものの、受賞後もまだSOHOしずおかやB'nestに頼っているようだと、ビジネスでの成功はおぼつかない。
 出来るだけ早く経営者として独り立ちしなきゃならないし、SOHOもB'nestもそれを望んでいる。

 さて、コンテストでは、プランの「新規性」や「独自性」「差別化」といったものが重視され、既存のサービスとどこが異なるのか、結構突っ込まれる。
 また、「プロモーション手法」や「リスクファクターの分析と解消」などの構築も必須だ。

 しかし実際のビジネスでは、ムキになって新しい価値を創造しようとする必要はない。
 プロモーションもリスクも、走りながら考えるのが正しい。

 そして短期に黒字化しようと思ったら、むしろ既存ビジネスに取り組んだ方が全然早い。
 そこでは純度の高い新規性も差別化も、求められることはない。
 せいぜい応用編というか、まあ何らかの既存の組み合わせに過ぎない。
 
 新しい価値の創造とは、「このサービスを求めている人がきっといるだろう」という仮説を下に、ビジネスモデルを構築することになるので、収益化までのルートが遠い。
 まずはユーザーに、そのサービスで何が得られるか理解してもらわなきゃならない。
 そしてユーザーが、そのサービスを必要としていると自覚させなきゃならない。

 これが逆に、衣食住性といった基本的欲求に起因するものの場合、そのルートをすっ飛ばせる。
 誰だって服を着るし、食事するし、家が欲しいし、節句巣をしたい。
 理解も自覚も促す必要はない。競合に相対的に勝つだけでいいのだ。

 新しい価値の場合は、それを欲しいと思わせるハードルが存在し、キャッシュポイントの設定が困難なのだ。

 しかしそれでも、新しい価値を想像して先駆者になろうという方たちに、私は敬意を払う。
 何より実際に店舗応援団では、新しい価値の創造に取り組んでいる。

 市場価値の新規性を大雑把に分けると、こんな感じだろうか。ついでに( )内に私の事業の位置づけも記す。

①全くの新規分野
②既存のものを変化させて市場に落とす(店舗応援団)
③既存のものに付加価値を加え新規性を創る(スイーツタウンプロジェクト、Annyのお気に入り)
④政策などで社会に必要になっていく事がほぼ確実なもの(サービス付き高齢者向け住宅)
⑤既存のビジネス(飲食業、建築業、不動産業、レジャーホテル)

 ①に近いほど、難易度が高くキャッシュポイントが設定しづらい。

 自分の生み出した価値が、社会に必要か否かを図る指標は、民間の起業においてはただ一つ「収益」のみでいい。
 それ以外は、趣味でありボランティアであり、あるいは官公庁が取り組むべき仕事なのだと思う。

 そこに素晴らしい価値があるなら、収益を挙げて、継続させていってほしい。
 実践者集団(株)店舗応援団では、そういう段階に対してはお手伝いできます。



Posted by たまじゅん at 13:14│Comments(0)
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