2013年07月11日

読書考

 村上春樹の「ノルウェイの森」には、こんな一節がある。

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 そして「グレート・ギャツビー」はその後ずっと僕にとっては最高の小説でありつづけた。
 僕は気が向くと書棚から「グレート・ギャツビイ」をとりだし、出鱈目にページを開き、その部分をひとしきり読むことを習慣にしていたが、ただの一度も失望させられることはなかった。
 一ページとしてつまらないページはなかった。なんて素晴らしいんだろうと僕は思った。
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 村上春樹訳のものも含めて、「グレート・ギャツビー」は2つの訳書を読んだが、私にはその価値がわからなかった。
 英文小説を原文のまま読むことが出来ない自分には、おそらくグレート・ギャツビーの(村上春樹がつかんだ)価値が解ることはないのだろうと思う。

 では、私にとってそういう素晴らしい小説があるかと問われれば、それは間違いなく「ノルウェイの森」だ。
 うけうりのようで不本意だが、それは1ページとして、あるいは1行としてつまらない箇所はなく、どこを切り取っても素晴らしい。

 ところで、私の読書志向はかなり偏っていて、気に入っている何種類かの本を一定のサイクルで何度も通読するタイプなのだが、ノルウェイの森だけはそのローテーションに入っていない。

 なぜかと言うと、ノルウェイの森を通読すると、2日ほどはビジネスマンとして使い物にならなくなるので、連休の前とかじゃないと読めないのだ。
 だから普段、うかつに通読するわけにもいかず、時折チラチラ拾い読みするしかない。

 ところで、子供の頃は何故か漂流物が大好きで、「十五少年漂流記」「ロビンソン・クルーソー」「老人と海」にはハマリにハマった。
 すっかり暑くなってきて、海にでも行きたいところだけどそうもいかない。

 この週末は漂流物でも読もうかなと、このごろ考えていた。



Posted by たまじゅん at 08:06│Comments(0)
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